「キラーコンテンツ」の役割とは?具体例や発信のポイントを紹介

ある程度コンテンツが揃ったオウンドメディアで起こりやすいのが、アクセス数はあるがクロージング(商品の購入、サービスの契約など)につながらないケースです。集客できていても、モノが売れない状態が続けば、効果的なマーケティングとはいえません。 解決するためには、売上への後押しとなる「キラーコンテンツ」が必要です。 本コラムでは、「キラーコンテンツ」とは何か、マーケティングにおける役割や、集客コンテンツとの違いについても合わせて解説します。

「キラーコンテンツ」とは?

Webマーケティングを利用して自社の商品やサービスを売るためには、認知拡大や集客を狙った施策が求められます。インターネット上で認知拡大や集客につなげるのが、検索エンジンからの流入数を増やすSEOを用いたコンテンツマーケティングやWeb広告です。

認知拡大を目的に集客コンテンツを発信することは重要ですが、一方で購買意欲が芽生えた顧客に向けた、クロージングにつながる「キラーコンテンツ」も注力すべき施策のひとつです。

ここでは、Webマーケティングにおける「キラーコンテンツ」の詳しい概要や集客コンテンツの違いを解説します。

キラーコンテンツとは

ウェブサイトの成果に貢献するコンテンツを指します。サッカーのキラーパス(得点につながる味方へのパス)に例えられることが多いです。

Webマーケティング上の「キラーコンテンツ」とは

Webマーケティングでは、コンバージョン(ユーザーが購入など利益につながるアクションをすること)につながるページを「キラーコンテンツ」と呼びます。主にコンテンツマーケティングに用いられます。

大きな特徴は、コンバージョンへの貢献を狙っていることです。顧客が購買や成約に至るよう背中を押す、クロージングを目的としてコンテンツを作成します。

「キラーコンテンツ」と集客コンテンツとの違い

「キラーコンテンツ」と集客コンテンツは対象のターゲットが異なります。キラーコンテンツのターゲットは、リピーターや購入見込みのある顧客です。一方、集客コンテンツは、新規ユーザーも含めて幅広いターゲット層を設定しています。

キラーコンテンツと集客コンテンツの目的の違いは下記のとおりです。

キラーコンテンツと集客コンテンツの違い
集客コンテンツ

集客による認知獲得(サイトへの流入など)

流入者を増やすために、多くのユーザーが検索するビッグワードと、さまざまなニーズに幅広くマッチする内容の記事で構成されているのが集客コンテンツです。

キラーコンテンツ

コンバージョン獲得(購入・資料請求・問い合わせなど)

集客コンテンツでターゲットを自社サイトに流入させ、見込み顧客に育った段階でキラーコンテンツによるコンバージョン獲得を目指します。

ユーザーが求める情報や、商品やサービスの魅力が主です。企業側が伝えたい情報ではなく、流入してきたユーザーが求める内容のみを伝えることに留めているため、コンテンツの質が高くなります。

見込み顧客の多くに共通する性質は、商品やサービスの存在を知っただけでは、今すぐの購入にはつながらないことです。類似商品との比較や、口コミの内容、購入するメリットなどの情報を得て、ようやくコンバージョン獲得となります。

コンテンツの使い分けとして、集客コンテンツは、情報収集するユーザーに向けて「ウェブサイトへの集客」「商品やサービスの認知」などを目的に作成。

キラーコンテンツは、購入や成約を検討するユーザーに向けて「購買意欲の促進」「不安の払しょく」などを目的に作成します。

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キラーコンテンツの具体例

コンテンツマーケティングでは、対面営業とは異なり顧客一人ひとりと向き合って直接クロージングに持ち込むのは困難です。コンバージョンを獲得するためには、これまで意識してこなかったテクニック(別側面からのアプローチなど)を、意図的に記事へ盛り込む必要があります。

見込み顧客の購買意欲を妨げている要素は何か、リピーターが迷っている理由は何か、分析したうえでアプローチすべきポイントを考えましょう。

購入を検討させやすい要素としてあげられるのが、信ぴょう性のある専門性が含まれる意見やお客様の声などの導入事例、他社比較などです。コンテンツ内で他社商品と価格や成分を比較したり、実際に利用しているユーザーの事例を紹介しているコンテンツは、購買への説得力が増します。

ここでは具体的なキラーコンテンツの例を紹介します。

専門家の意見やアンケート結果(専門性)

商品やサービスに関連するジャンルにおいて、権威性や専門性の高い情報を提示することが重要です。エビデンスとして客観的かつ信頼できる情報の提供が求められます。

主観的なアピールのみでは、ユーザーからの信頼は得られません。客観性の高いコンテンツを準備して、内容に説得力をもたせましょう。

たとえば、以下が信頼につながる客観的な情報です。

・専門家の意見
・公的機関の調査結果やアンケート
・実際の見積もり例

多くの広告媒体でも活用されており、ユーザーに安心感を与えます。

より購買意欲を刺激するなら、使い方・利用方法を紹介した動画、プランごとの比較なども加えるのがおすすめです。「使い方が分かりにくい」「正しい手順で利用できるか分からない」など、ユーザーが購買を躊躇する理由・不安の解消につながります。

商品やサービスによっては、保証期間やサポート窓口といったカスタマーサポートの情報も効果的です。たとえば、サプリメントの場合、自身と合わなかったときの返金保証や定期解約方法が分かると、申し込みハードルが低くなります。

重要なのは、ユーザー目線で提供する情報を考えることです。購入や申し込みを考えるとき、どのような不安があるか、どのような点を知りたいと思うのか、何が最後の後押しとなるかを念頭に、ページ制作しましょう。

お客様の声や導入事例(第三者の声)

口コミや評判など実際に利用したユーザーの声などもキラーコンテンツに含まれます。

近年はスマートフォンが普及しており、誰もが手軽に情報収集や共有できます。そこで多くのユーザーが消費行動の前に口コミなどの第三者の評価を参考にしています。商品やサービスを選ぶときは、既に購入や成約した第三者の体験談が判断材料として活用されます。

お客様の声や口コミを掲載して、購入者や成約者が存在すること。そして評価が高いこともアピールしましょう。単純な感想のみならず、下記の要素も取り入れると、さらに効果的です。

・購買理由
・体験内容
・感じたメリット
・総合的な評価・満足度

BtoC、BtoB向けの商品やサービスでも積極的に取り入れるべき要素です。導入に至る流れや成果を挙げた点、カスタマーサポートの満足度をアピールできます。他社がどのような状況で導入に至ったのか分かれば、似たような課題を抱えているユーザーも購入を前向きに検討してくれるでしょう。

また、導入事例の紹介は、顧客企業の知名度やブランド力を説得材料に加えられることもポイントです。有名企業や団体がすでに導入しているとあれば、安心材料となります。

顧客がインタビューに協力してもらえば、「キラーコンテンツ」として有効な自社商品やサービスのアピールポイントも引き出せるでしょう。

サービスや商品の比較ページ(比較材料)

競合となる商品やサービスとの差別化につながる要素です。価格や成分、サービスの質など、多角的要素で比較することで、ユーザーが検討しやすくなります。

キラーコンテンツのひとつに他社との比較検討を容易にできるコンテンツを設けるのも大切です。ユーザーは、自社のサービスや商品に対して興味を抱いても、すぐにコンバージョするとは限りません。他社との比較検討を行う場合がほとんどです。

・料金
・独自の強み
・機能性
・利便性

など、競合他社との比較できるページを作りましょう。ただし、比較する際は競合他社が劣っているような紹介にせず、事実のみを記述します。

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成果に導くキラーコンテンツの作り方

キラーコンテンツを作成して成果に昇華させるためのポイントを紹介します。

ユーザーの消費行動を理解する

商品やサービスの認知から購入までを段階的に分けると、ユーザーの消費行動は5つのプロセスで成り立っています。一連の流れを総じて、AIDMA(アイドマ)と呼びます。

・Attention(注意):商品やサービスの存在を認知する
・Interest(関心):商品やサービスに対して興味を抱く
・Desire(欲求):欲しいという欲求が生まれる
・Memory(記憶):商品やサービスを記憶している
・Action(行動):購買行動に移る

クロージングは、適切なタイミングで行わなければ効果的ではありません。アプローチすべきタイミングを見計らうためには、AIDMAに基づいてユーザーの状態を理解することが求められます。

キラーコンテンツは、AIDMAのDesire(欲求)以降のプロセスに対して行うのがポイントです。

前段のInterest(関心)では、ユーザーは商品やサービスの存在を知っていますが、特別な欲求は感じていない可能性があります。

そこでキラーコンテンツで商品やサービスの魅力や購入するメリットを伝えることで、ユーザーをDesire(欲求)のプロセスに導く、という具合です。

多くのユーザーに「欲しい」と思ってもらい(Desire)、一旦離脱しても思い出してもらい(Memory)、購買(Action)を促すには戦略的なコンテンツ設計が重要です。

伝わりやすくする工夫も必要

キラーコンテンツを制作するときは、伝わりやすいレイアウトや書き方を意識することが重要です。

・数値やグラフを活用する
・コスト比較表を取り入れる
・引用は分かりやすく記載する
・出典元、サンプル数、計測時期などを明記する

具体的な数値や比較表などは、視覚的にもユーザーが情報を整理できます。情報元が信頼できることを証明するためには、出典やサンプル数なども正しく明記しましょう。

ユーザーに商品やサービス、自社に親近感を抱いてもらえるように、ストーリー要素も加えます。記載した数値を実現できた根拠、これまでの苦労、トラブルなどのストーリーを付加すると、ますます魅力を感じてもらいやすくなります。

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まとめ

集客コンテンツでコンバージョンに至らなかったユーザーに対して、購入や問い合わせなどのアクションを促すのが「キラーコンテンツ」です。取材による客観的データを取り入れたり、アプローチのコツを理解して記事作成したりすることで「キラーコンテンツ」のクロージング効果を高められます。

自社での内製が困難と判断したときは、専門家へキラーコンテンツの制作を依頼するのもおすすめです。コンテンツ作成の専門家なら、多数の取材やウェブライティング経験から得たノウハウをもっているので、クロージング効果を生みやすいコンテンツ制作が可能です。

未知株式会社では、導入事例を用いたキラーコンテンツの制作代行を承っております。ユーザーに現場のリアルな声を届けられるインタビュー記事の制作実績も豊富にございます。まずは一度ご相談ください。

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