キラーコンテンツとは?意味・具体例・作り方・使い方をプロが紹介

キラーコンテンツとは、企業が提供する商品やサービスに対して、ユーザーの購買意欲を高め、最終的な成約や購入に直結するコンテンツのことです。単なる情報提供にとどまらず、ユーザーに強い影響を与え、具体的な成果を生むために欠かせない要素です。本記事では、キラーコンテンツの役割や具体例、作り方、効果的な使い方について詳しく解説し、成功するためのポイントを紹介します。

「キラーコンテンツ」とは?

キラーコンテンツとは、非常に影響力があり、特定の分野で大きな成果をもたらす優れたコンテンツを指します。ビジネス、スポーツ、芸術など、幅広い分野で使われる言葉です。特に、サッカーにおける「キラーパス」(得点につながる決定的なパス)に例えられることが多く、どの分野でもゴール(成果)に直結する重要なコンテンツを指すことが一般的です。

この「キラーコンテンツ」という言葉は、ウェブマーケティングにおいてもよく使われています。ここでは、ウェブマーケティングにおけるキラーコンテンツの役割と、一般的な集客コンテンツとの違いについて解説します。

ウェブマーケティング上の「キラーコンテンツ」

ウェブマーケティング上のキラーコンテンツとは、コンバージョン(ユーザーが購入など利益につながるアクションをすること)やリード獲得、購買といった、具体的な成果に直結することを目的としたウェブページのことです。

先ほどのサッカーに例えると、キラーコンテンツは『ゴールに直結する決定的なパス』、つまりキラーパスのような役割を果たすコンテンツです。

ウェブマーケティングで自社の商品やサービスを販売するには、まず認知拡大や集客を狙った施策が重要です。しかし、集客だけを目的としたコンテンツでは、訪問者の関心を引けたとしても、最終的な購買行動につながらないことがあります。

そこで、顧客の心理や行動をしっかりと分析し、彼らの心に響くキラーコンテンツを作成することが不可欠です。こうしたコンテンツは、単なる情報提供に留まらず、購入を決断させる「最後の一押し」として機能します。

コンテンツマーケティングを通じて売上を向上させるには、このキラーコンテンツが極めて重要な役割を果たします。

「キラーコンテンツ」と集客コンテンツとの違い

キラーコンテンツと集客コンテンツの目的の違いは下記のとおりです。

  集客コンテンツ キラーコンテンツ
主な目的 ・ウェブサイトへの集客
・商品やサービスの認知拡大
・購買意欲の促進
・不安の払しょく
主なターゲット 新規ユーザーを含む潜在顧客 ・購買を検討している見込み顧客
・リピーター

集客コンテンツは、サイトへの流入数を増やすことを目的としており、多くのユーザーが検索するビッグキーワードを使い、多様なニーズに対応する記事で構成されています。これにより、LP(ランディングページ)などを活用し、資料請求など最初のアクションを促します。

一方で、キラーコンテンツは特定の商品やサービスの魅力にフォーカスし、ユーザーが求める情報に特化して提供します。企業が伝えたいことを前面に出すのではなく、ユーザーのニーズに応じた内容だけを提供することで、コンテンツの質が非常に高まります。

多くの見込み顧客は、商品やサービスの存在を知っただけではすぐに購入には至りません。キラーコンテンツを通じて詳細な情報を得ることで、購買意欲が高まり、最終的にコンバージョンへとつながります。

集客コンテンツとキラーコンテンツを上手に使い分けることで、ウェブマーケティング全体の成果を最大化することが可能です。

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キラーコンテンツの具体例

キラーコンテンツにとって大切なのは、購入や契約を真剣に検討しているユーザーの心理を考えることです。商品の購入を検討しているユーザーは、なにを絶対に確認しておきたいのか、そして何が『最後の一押し』となって購買決定を促すのか、を徹底的に深堀ることが重要になります。

例えば、高額な商品(例:金融商品や不動産など)では、比較ページや費用の詳細、契約後のサポートやサービス内容を具体的に伝えるコンテンツが考えられます。

一方、手軽に購入できるBtoC商品においては、他のユーザーの口コミや評価が決定的な役割を果たすことが多く、購入前に必ず確認されるページです。

ここでは具体的なキラーコンテンツの例を紹介します。

・専門家の意見やアンケート結果(専門性)
・お客様の声や導入事例(第三者の声)
・サービスや商品の比較ページ(比較材料)

専門家の意見やアンケート結果(専門性)

商品やサービスに関連するジャンルにおいて、権威性や専門性の高い情報を提示することが重要です。エビデンスとして客観的かつ信頼できる情報の提供が求められます。

主観的なアピールのみでは、ユーザーからの信頼は得られません。客観性の高いコンテンツを準備して、内容に説得力をもたせましょう。

例えば、以下が信頼につながる客観的な情報です。

・専門家の意見
・公的機関の調査結果やアンケート
・実際の見積もり例

多くの広告媒体でも活用されており、ユーザーに安心感を与えます。

より購買意欲を刺激するなら、使い方・利用方法を紹介した動画、プランごとの比較なども加えるのがおすすめです。「使い方が分かりにくい」「正しい手順で利用できるか分からない」など、ユーザーが購買を躊躇する理由・不安の解消につながります。

また、商品やサービスによっては、保証期間やサポート窓口といったカスタマーサポートの情報も効果的です。例えば、サプリメントの場合、自身と合わなかったときの返金保証や定期解約方法が分かると、申し込みハードルが低くなります。

重要なのは、ユーザー目線で提供する情報を考えることです。購入や申し込みを考えるとき、どのような不安があるか、どのような点を知りたいと思うのか、何が最後の後押しとなるかを念頭に、ページを制作しましょう。

お客様の声や導入事例(第三者の声)

口コミや評判など実際に利用したユーザーの声などもキラーコンテンツに含まれます。

近年はスマートフォンが普及しており、誰もが手軽に情報収集や共有できます。そこで多くのユーザーが消費行動の前に口コミなどの第三者の評価を参考にしています。商品やサービスを選ぶときは、既に購入や成約した第三者の体験談が判断材料として活用されます。

お客様の声や口コミを掲載して、購入者や成約者が存在すること。そして評価が高いこともアピールしましょう。単純な感想のみならず、下記の要素も取り入れると、さらに効果的です。

・購買理由
・体験内容
・感じたメリット
・総合的な評価・満足度

お客様の声や導入事例は、BtoC、BtoB向けの商品やサービスでも積極的に取り入れるべき要素です。導入に至る流れや成果を挙げた点、カスタマーサポートの満足度をアピールできます。

他社がどのような状況で導入に至ったのか分かれば、似たような課題を抱えているユーザーも購入を前向きに検討してくれる可能性があります。

また、導入事例の紹介は、顧客企業の知名度やブランド力を説得材料に加えられることもポイントです。有名企業や団体がすでに導入しているとあれば、安心材料となります。

顧客にインタビューに協力してもらえば、キラーコンテンツとして有効な自社商品やサービスのアピールポイントも引き出せます。

サービスや商品の比較ページ(比較材料)

競合となる商品やサービスとの差別化につながる要素です。価格や成分、サービスの質など、多角的要素で比較することで、ユーザーが検討しやすくなります。

キラーコンテンツのひとつに他社との比較検討を容易にできるコンテンツを設けるのも大切です。ユーザーは、自社のサービスや商品に対して興味を抱いても、すぐにコンバージョするとは限りません。他社との比較検討を行う場合がほとんどです。

・料金
・独自の強み
・機能性
・利便性

ただし、比較する際は競合他社が劣っているような紹介をするとかえってユーザーの信頼を失う可能性があるので、事実のみを記述します。

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成果に導くキラーコンテンツの作り方

キラーコンテンツを作成して成果に昇華させるためのポイントを紹介します。一般的なキラーコンテンツの作り方のポイントは、以下のとおりです。

・ユーザーの消費行動を理解する
・コンバージョン率の高いコンテンツを分析する
・ユーザーの悩みの解決に注力する 
・伝わりやすいレイアウトや書き方を意識する
・キラーコンテンツの量は集客コンテンツよりも少なくする

それぞれ詳しくみていきましょう。

ユーザーの消費行動を理解する

商品やサービスの認知から購入までを段階的に分けると、ユーザーの消費行動は5つのプロセスで成り立っています。一連の流れを総じて、AIDMA(アイドマ)と呼びます。

・Attention(注意):商品やサービスの存在を認知する
・Interest(関心):商品やサービスに対して興味を抱く
・Desire(欲求):欲しいという欲求が生まれる
・Memory(記憶):商品やサービスを記憶している
・Action(行動):購買行動に移る

クロージングは、適切なタイミングで行わなければ効果的ではありません。アプローチすべきタイミングを見計らうためには、AIDMAに基づいてユーザーの状態を理解することが求められます。

キラーコンテンツは、AIDMAのDesire(欲求)以降のプロセスに対して行うのがポイントです。

前段のInterest(関心)では、ユーザーは商品やサービスの存在を知っていますが、特別な欲求は感じていない可能性があります。

そこでキラーコンテンツで商品やサービスの魅力や購入するメリットを伝えることで、ユーザーをDesire(欲求)のプロセスに導く、という具合です。

多くのユーザーに「欲しい」と思ってもらい(Desire)、一旦離脱しても思い出してもらい(Memory)、購買(Action)を促すには戦略的なコンテンツ設計が重要です。

コンバージョン率の高いコンテンツを分析する

コンバージョン率の高いキラーコンテンツを作るためには、既存の自社メディア内のページを徹底的に分析することが重要です。ユーザーがどのような行動を取って購入に至るかを把握することで、改善点が分かり、より効果的なコンテンツの作成ができるようになります。

例えば、商品の購入率が高いページには、以下のような特徴がみられる場合があります。

・商品の写真・動画が多く使われていて、視覚的な訴求効果が高い
・購入者のレビューが目立つ位置にある
・ユーザーの不安を解消するFAQが手厚い 

ただし、コンバージョン率を左右する要素は、扱う商品やサービスによってさまざまです。Google Analyticsやマーケティングオートメーション(MA)ツールを活用すれば、実際のユーザーの行動を可視化できます。

分析を通じてコンテンツを強化・改善し、効果的なキラーコンテンツの再現性を高めましょう。

※顧客データを活用して、マーケティング活動を自動化・効率化するためのソフトウェア

ユーザーの悩みの解決に注力する

ユーザーの悩みを的確に解決するコンテンツは、強力なキラーコンテンツとなります。悩みを抱えたユーザーは、解決策を見つけると、次のステップとして商品やサービスの購入に進みやすくなるためです。

ユーザーの悩みを正確に把握するには、客観的なデータが重要です。顧客アンケートやユーザーレビューなどを活用して、ユーザーの声を直接収集することが効果的です。

また、ユーザーがどのような心理や行動を経て購入に至るのかを理解するために、カスタマージャーニーマップの作成も有効です。カスタマージャーニーマップを使えば、ユーザーがどの段階でどのような悩みを抱え、その解決策をどのように提示すべきかを具体的に把握できるようになります。

カスタマージャーニーマップを活用することで、ユーザーの行動に基づいた効果的なキラーコンテンツの作成が可能です。

伝わりやすいレイアウトや書き方を意識する

キラーコンテンツを制作するときは、伝わりやすいレイアウトや書き方を意識することが重要です。

例えば、以下のような方法が挙げられます。

・数値やグラフを活用する
・コスト比較表を取り入れる
・引用は分かりやすく記載する
・出典元、サンプル数、計測時期などを明記する

具体的な数値や比較表などは、視覚的にもユーザーが情報を整理できます。情報元が信頼できることを証明するためには、出典やサンプル数なども正しく明記しましょう。

ユーザーに商品やサービス、自社に親近感を抱いてもらえるように、ストーリー要素も加えます。記載した数値を実現できた根拠、これまでの苦労、トラブルなどのストーリーを付加すると、ますます魅力を感じてもらいやすくなります。

キラーコンテンツの量は集客コンテンツよりも少なくする

キラーコンテンツは、数を絞り、必要な場面で効果的に活用することが大切です。これは、特定の商品やサービスのメリットを強調し、ユーザーを購入や契約に導くためのコンテンツですが、こればかりに偏ると、提供する情報のバランスが悪くなり、ユーザーにとっての情報価値が薄れてしまう可能性があります

重要なのは、集客コンテンツで多くのユーザーを引き寄せ、その後キラーコンテンツを使って購買や契約へと導くバランスです。このバランスは、業界や商品、ターゲット層によって異なるため、自社サイト全体を見渡しながら、戦略的に設計する必要があります。

もし、自社内でこのバランスをうまく取るのが難しいと感じた場合は、専門の会社に相談したり、外注するのも一つの有効な方法です。専門家のサポートを受けることで、より効果的なコンテンツ戦略を実行しやすくなります。

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キラーコンテンツの効果を最大限引き出す使い方

キラーコンテンツの効果を最大限引き出す使い方のポイントは、以下のとおりです。

・内部リンクを工夫する
・SNSでのシェアを促す
・メールマガジンで紹介する
・リターゲティング広告を打つ

それぞれ詳しくみていきましょう。

内部リンクを工夫する

コンテンツ同士の内部リンクを工夫することで、サイト内の回遊率を向上させ、集客コンテンツからキラーコンテンツへ効果的に誘導できます。集客コンテンツで興味を引いたユーザーは、次のステップとしてさらに詳しい情報や具体的な解決策を求める傾向があります。

そのため、ユーザーの心理に合わせて内部リンクを設定することで、ユーザーをスムーズにキラーコンテンツへ導き、最終的な契約や購入に結びつけることが可能です。

例えば、乾燥肌の原因を解説する記事から、効果的な成分に関する情報を提供し、そのままおすすめの化粧品ページへリンクを設置する、といった形です。

このように、集客コンテンツとキラーコンテンツを上手につなぐことで、サイト全体のパフォーマンスを向上させることができます。

SNSでのシェアを促す

X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSを活用したコンテンツのシェアが、コンバージョン数を高めるための重要な戦略のひとつです。

高品質なキラーコンテンツがあっても、その存在を多くの人に知ってもらわなければ効果を十分に発揮できないからです。SNS上でのシェアによって、ユーザー同士が口コミ効果を生み、新規ユーザーの獲得やコンバージョンの増加が期待できます。

例えば、コンテンツページにSNSシェアボタンを設置し、簡単にシェアできる仕組みを作りましょう。「このコンテンツが役立ったらシェアしてください」など、シェアを促すメッセージを追加すれば、シェア率の向上が期待できます。

また、オリジナルのハッシュタグを作成し、ユーザーが投稿時にハッシュタグを付けるよう促すと、より多くの人にリーチできます。

メールマガジンで紹介する

メールマガジンを活用してキラーコンテンツを紹介することで、見込み顧客に対して、より効果的に商品やサービスを訴求できます。メールマガジンの強みは、自社に関心を持っているユーザーに直接アプローチできる点で、SNSよりもターゲットに的確な情報を届けやすいことがメリットです。

メールマガジンでは、キラーコンテンツの要点を簡潔にまとめ、読者に「もっと知りたい」と思わせる工夫を施しましょう。たとえば、商品の特徴や実際の利用例、顧客の声などを短く紹介し、詳細はコンテンツページで確認できるようにリンクを設置します。

このように、メールマガジンでキラーコンテンツを効果的に紹介することで、サイトへのアクセス数やコンバージョン数の増加が期待できます。

リターゲティング広告を打つ

リターゲティング広告を活用することで、一度サイトを訪問したユーザーに再アプローチし、コンバージョン率を高められます。リターゲティング広告とは、サイトに訪れたものの、購入・問い合わせに至らなかったユーザーに対し、別のサイトで広告を表示する仕組みです。

リターゲティング広告は、ユーザーがすでに製品やサービスに関心を持っているため、クリック率やコンバージョン率が高くなる傾向にあります。そのため、無駄な広告費を抑えつつ、効果的にターゲットへリーチすることが可能です。

リターゲティング広告を活用する際は、閲覧ページや行動データをもとにターゲットを分類し、適切なキラーコンテンツを提供することが重要です。

例えば、商品概要を見たユーザーに、商品比較ができるキラーコンテンツへ誘導する広告を打つことで、購入につながる可能性があります。

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キラーコンテンツの事例

デジタルアスリート株式会社は、マーケティング戦略の立案などを通じて、企業の集客をサポートする事業を展開しています。当時、デジタル広告のリスキリング事業に対する認知の低さが課題でした。

そこで、オウンドメディアに顧客の具体的な体験談を掲載し、メディアを訪れるユーザーに対してサービスの魅力を訴求しました。

その結果、アクセス数が増えて「デジタルマーケティングのリスキリング事業といえばデジタルアスリート」というイメージの確立に成功しています。

顧客の声を活用したキラーコンテンツによって、自社のブランド強化に成功した事例です。

参考:『お客様の声』から広がるサービス認知。キラーコンテンツの制作事例

まとめ

キラーコンテンツとは、自社の商品やサービスの購入や成約につながる重要なコンテンツのことです。代表的なものとして、商品紹介ページ、ユーザーの声、導入事例などが挙げられます。

成果に導くキラーコンテンツを作成するためには、ユーザーの消費行動や高い成果を上げているコンテンツを分析することが大切です。

キラーコンテンツの作成後は、内部リンクを工夫したり、SNSでのシェアを促したりすることで、効果を最大化しましょう。