導入事例のインタビュー記事でコンテンツの集客アップ!効果や注意点を解説

コンテンツマーケティングにおいて、クロージング(商品の購入、サービスの契約など) 効果を上げる要素のひとつが導入事例の紹介です。 どのような企業が導入しているのかを紹介するだけでも、ある程度の訴求効果が期待できます。しかし、コンバージョン(ユーザーが購入など利益につながるアクションをすること) 率をより上昇させるためには、導入事例は淡々と紹介するのではなく、インタビュー記事として取り入れるなど、もう一歩踏み込んだ施策が不可欠です。 本コラムでは、コンテンツの集客力ひいてはコンバージョン率アップにつながる、導入事例のインタビュー記事について作成方法を解説します。

導入事例のインタビュー記事が果たす目的とは

導入事例のインタビュー記事は、商品やサービス の認知拡大やクロージングに必須と呼べるほど集客効果の高いコンテンツです。導入した企業が抱えていた課題や、導入後に改善できたことなどを体験談として知ることで、多くの顧客が共感してくれます。

インタビュー企業とターゲット層の顧客が同じ課題を抱えていれば、「この商品やサービスで解決できる」と購入や契約を前向きに検討するきっかけとなります。導入にともなってつまずいた部分に関する話も、対策の参考として役立つ重要な情報です。

さまざまな効果が期待できる一方で、導入事例のインタビュー記事は顧客への依頼など準備に手間がかかる方法でもあります。情報の引き出し方をはじめ悩む点も多く、取り入れにくいと考える方も多いのではないでしょうか。

導入事例のインタビューを多くの企業が実践する目的として、次の3つがあげられます。

目的1: サービスや商品の認知拡大

どんなに素晴らしい商品やサービスでも、認知度が低ければ売上は伸び悩むものです。そのような場合、認知度を効果的に拡大する手法のひとつが、顧客の知名度を借りるインタビュー記事です。

業界やターゲット層にとって知名度の高い企業に導入事例のインタビューを行えば、自社の商品やサービスの認知拡大に役立ちます。

見込み顧客も「有名なあの企業が導入しているなら」と安心したり、同業他社の導入事例を見て具体的なイメージを膨らませ、前向きに検討するケースがあります。

商品やサービスの認知拡大を狙う場合、導入事例のインタビュー記事には見込み顧客の獲得や検討を後押しする要素を盛り込むことが重要です。

「なぜ、自社の商品やサービスが選ばれたのか」という切り口でインタビューを行うと、効果的なアピールポイントとなります。

目的2:クロージング効果のアップ

導入事例のインタビューは、クロージングにも役立ちます。

コンテンツマーケティングにおけるクロージングは、契約や購入、資料請求などのコンバージョンにつながるコンテンツなどの文章をさします。BtoCのLP(Landing Page ユーザーが最初に閲覧するWebサイトのこと)でよく掲載されている「今なら送料無料!」など申し込みを後押しする一文も、クロージングコピーと呼ばれる手法です。

クロージングのポイントは、読者の不安を解消することです。

読者は、導入事例のインタビュー記事から、次のような成果を期待し導入を検討します 。

■どのような効果は期待できるか

WebサイトやLPに記載されている効果が、自身に当てはまるかどうかは、判断が困難な部分です。

例えば業務効率ツールに「豊富な機能で業務効率が向上します」とPR文が書かれていても、すべての利用者や企業に当てはまるとは限りません。機能を使いこなすために専門知識が必要な場合、導入しても一部の社員が操作できず、イメージどおりに効率化が進まない可能性があります。

しかし、導入事例のインタビュー記事で既存顧客が「うちみたいにパートさんが多い職場でも、分かりやすい画面設計なので、みんなスムーズに使いこなせるようになりました」とコメントしていれば、類似企業の参考となります。

導入事例のインタビュー記事を複数掲載すれば、さまざまな目線や立場で効果を伝えられます。掲載インタビュー数が多ければ多いほど、検討中の個人や企業担当者が自身に当てはめてイメージしやすくなります

■導入後にどのような準備が必要か

商品やサービスの効果や成果を最大化するには、工夫が必要な場合もあります。使い方のコツは、開発や提供している側よりも、実際に利用している既存顧客のほうが詳しくなる傾向があります。

例えば、ソフトウェアを提供する場合、導入企業は業務フローや運用ルールの整備が必要です。しかし、WebサイトやLPを見ただけの見込み顧客は、「一部の業務が自動化できる」としか考えていない可能性があります

導入事例のインタビュー記事で「導入にあたって社内の運用ルールを整備した」と具体的な事前準備を語っていれば、読者はより現実的な導入計画を立てられます。自社に当てはめた場合、効果や成果を最大化するための方法も含めた導入検討が行われます。

成功例はもちろん、「こういう点に困ったから、先に業務フローを見直しておくべきだった」などの失敗談も、導入を検討する担当者への有力なアドバイスです。

「最初は安いプランを契約したが、この機能と組み合わせたほうが使いやすいのでプラン変更した」などのコメントもあれば、プラン比較の参考にもなります。

■既存顧客が導入後に実感したメリットや成果はなにか

商品やサービス提供企業のPR文は、開発者側から見た魅力が多くなりがちです。一方、導入事例のインタビュー記事は、既存顧客の目線でしか気付けない魅力を掘り出す、効果的な一手です。

メリットや成果をインタビューするときは、「毎月4~5時間かかっていた作業が、1時間に短縮できた」など具体的な数字を出すことで、読者もイメージしやすくなります

導入を検討している場合、担当者のみでは意思決定できないケースがほとんどです。既存サービスから入れ替えるときはコストやリスクの問題も絡むため、判断はより慎重に行われます。

前述のポイント(同様の効果があるのか、事前の準備や運用について、実感したメリット)が明確であれば、意思決定を促す説得材料となります。

導入事例のインタビュー記事は、商品やサービスの内容理解と導入検討を後押しする、いわゆる「キラーコンテンツ(購入や契約に強い影響を与えるコンテンツ)」の一種です。

目的3:自社のマーケットリサーチ

インタビューは時間をかけて準備し、丁寧に行うことで、既存顧客の本音を引き出す場にもなるため、自社のマーケットリサーチとして活用することもできます。広報や宣伝目的のみならず、企画制作や生産の現場にフィードバックするような情報を得るチャンスです。

ときには商品やサービスに対する要望に加えて、担当者や企業に対する要望や不満点があげられることもあります。コメントを参考に該当する部分を改善していけば、自社の品質改善も期待できます。

インタビューの際、不満な点など聞き出しにくい話題については「今後に期待する点」として質問しましょう。また、インタビュアー側から「こんなサービスが追加でほしい」といった声があるなど、具体的な例を話題に出すことで、自然な流れで本音を引き出すことができます。

一見するとネガティブな要素も、コンテンツとしてのリアリティが増すメリットとなります。

目次へ

インタビュー記事作成の進め方

導入事例のインタビュー記事を作成するときは、事前準備、インタビュー、記事作成など複数のフローをこなします。そのためインタビュー機会の少ない企業が自社で行うと、準備不足やスケジューリングのミスなど、スムーズに進まないリスクがあります。

ここでは、弊社が実際に行っているインタビュー記事作成の流れを解説します。

手順1.取材準備

必要な準備は以下になります。

・インタビュー対象者の選定
・質問項目の作成
・取材アポの合意
・ライター、カメラマンの手配

まず、取引企業の中から、目的に合ったインタビュー対象者を選出します。あらかじめ選定基準を明確にしたうえで行うことが重要です。

依頼先が決定したら、次は取材の準備を進めます。事前に行っておくべきことは主に「インタビュー内容の検討」「取材アポイント」「カメラマンやライターの手配」です。

インタビュー内容は、事前に大枠を作成しておきます。顧客の取引内容や導入事例の構成から逆算して質問内容を検討すると、自然な流れのインタビューとなります。以下は弊社が実際に使用している質問例です。

取材アポイントは、先方の参加者や日程を改めて確認しておく作業です。作成した質問内容も事前に通知するほうが、当日の進行がスムーズです。回答する側にとっても必要な資料(導入後の具体的な成果など)を用意する余裕が生まれるため、中身のあるコメントが得られます。

写真や動画を撮るカメラマンや、記事作成を担当するライターも、事前に手配しておきましょう。

手順2.インタビューの実施

インタビュー取材を行います。トラブル防止のため、当日に録音や録画、撮影の許可を再度とり、使途の範囲も説明します。

インタビューは、事前通知した質問を交えて雑談形式で行います。相手から可能な限り多くの情報を引き出せるよう、話の運び方を意識しましょう。ひとことの答えで終わる質問に対しても、きっかけや具体例、背景など掘り下げられる部分はあります。

相手の時間を拘束していることも考慮して、時間配分に注意することも重要です。各質問の時間や、話が脱線する可能性も含めて進行します 。

手順3.記事作成

音声の文字起こしおよび原稿作成時は、インタビューならではのニュアンスも可能な限り拾うように意識することがポイントです。

複数の事例を掲載することを前提に、共通のフォーマットを作成しておきます。見出しは導入事例のインタビュー記事ごとに変え、読者が重視する点を意識して「なぜ選んだか」「何が良かったか」などインタビューのサマリーを元に作成します。

簡単な企業紹介や、顧客の担当者紹介も入れると効果的です。アピールポイントも意識して、読みやすさや伝わりやすさも重視しましょう。

必要に応じて、協力してくれた取材先にも原稿チェックを依頼します。企業によっては表記ルールなどが存在する場合もあるので、トラブル防止のためには可能な限り事前チェックをしましょう。

目次へ

インタビュー記事はアピールポイントを明確に

導入事例のインタビュー記事は、効果を最大化するための工夫が必要です。淡々とインタビュー内容を掲載しても、望んだ効果は得られません。

集客やコンバージョンにつながる記事を作成するためには、「アピールポイントの明確化」が重要です。

優位性の見せ方は、大まかに分けると下記の3つがあげられます。

・プロダクト・イノベーション…製品の新しさ、独自性で差別化をアピールするスタイルのことです。顧客がどのように素晴らしい体験をしたのか、どのように感動したのかを積極的に伝えます。

・オペレーショナル・エクセレンス…企業の体質や理念を伝え、品質、スピード、コストによる優位性の背景を知ってもらうことで利益や成果を具体的にアピールするスタイルです。導入実績数や売上など、具体的な数字を提示することが求められます。

・カスタマー・インティマシー…企業と顧客が築いた関係性について、満足度や顧客ケアの観点からアピールするスタイルです。定量的な情報よりもフィーリングに訴えかける内容が求められるため、提供内容や結果を写真や動画で提示することもあります。

目次へ

まとめ

導入事例のインタビュー記事の訴求効果を最大化するためには、入念な準備が欠かせません。しかし、インタビューや記事作成の経験が少ない企業の場合、最初から高品質なコンテンツを作成することは困難です。

質の良い導入事例のインタビュー記事を作成したい方は、専門企業の利用がおすすめです。プロならヒアリングした情報をもとに、アピールしたい方向性から的確な記事構成、質問項目を提案できます。