ファンマーケティングとは?熱狂的なファンを獲得するための取り組みを紹介

ファンマーケティングについての概要と、従来の不特定多数を対象としたマーケティング方法と比較したときの効果について解説していきます。次に、ファンマーケティングを実行し継続していくための、具体的で重要なポイントを紹介していきます。

ファンマーケティングとは?

ファンマーケティングとは、従来の不特定多数の顧客に対し商品やサービスを販売するマーケティング手法とは反対に、一部の熱狂的な顧客いわゆる「ファン」に対し商品やサービスを販売するマーケティング手法のことをいいます。

「ファン」はロイヤルカスタマーよりも上位に位置する顧客で、とても少数です。それらを対象としたファンマーケティングという手法は、一見すると非効率であるように思えるかもしれませんが、その背景には「パレート」の法則というものがあります。

「パレート」の法則とは、「80:20」の法則や「働きアリの法則」などと呼ばれることもありますが、ビジネスにおいては「売上の8割は、全体に占める2割の顧客がもたらしている」というものになります。

ファンマーケティングとは、まさにこの法則を利用した画期的なマーケティング手法です。

上記のことを踏まえ具体的に説明すると、ファンマーケティングとは、ビジネスの対象を売り上げの上位20パーセントのみに絞ったマーケティング手法です。

全体の20パーセントに絞ってビジネスをするわけですから、効率が良くなることは明確でしょう。また、対象とする顧客の数が減ることで、ファン一人に割けるリソースも増えるので、それが顧客の満足度にもつながります。

ファンマーケティングにはどのような効果がある?

ファンマーケティングは、ビジネスの対象を売り上げの上位20%を占める「ファン」に絞るマーケティング手法ということがわかりました。ここからは、その効果について解説していきます。

競争優位性を獲得できる

従来の不特定多数を対象としたマーケティング手法では、競争優位性を獲得しようとしたとき、しばしば、過度な値下げをしたり、どうにか付加価値を付けようとして、必要性に疑問を感じるような機能を付けたりすることがありました。

しかし、そのどちらの方法も利益を上げる上では非効率です。

値下げをすれば利益率は上がりませんし、ただ闇雲に機能を増やしても、それらが全て顧客にとって有用なものとは限りません。むしろ、余計な機能なら付けないでほしいと思われてしまう恐れもあります。

安価なものや便利なもの、画期的なものは、短期的に見れば需要があるように思えます。しかし、長期的な視点で考えたとき、これらのものを販売するビジネスは継続できないでしょう。安価なものは利益率が低く、便利なものや画期的なものは、すぐに一般化してしまいます。

ファンマーケティングは、前述の通り「ファン」を対象としています。「ファン」は値段で商品やサービスを選んでいるわけではなく、愛着があるものを選んでいるので、ある程度値段の高い製品やサービスでも購入してもらえます。

そのため、従来のように安易な値下げをしたり、余計な機能を付ける必要もなくなります。

そうなると、価格を下げることなく、低コストで高利益な商品やサービスを提供できるようになるので、持続的に競争優位性を獲得することにつながります。

また、ファンを獲得することは決して容易なことではないので、うまく獲得できれば競合企業と大きな差をつけることができます。

利益率の向上につながる

普通、企業が自社の商品やサービスを宣伝しようとすると、多額の広告費を出してCMを打ったり、雑誌の広告欄に載せてもらう必要がありました。しかし、広告費というのは非常に高く、また、広告を出したからといって、必ずしも売り上げが伸びるわけではありません。

ですが、ファンマーケティングなら、この問題を解消することができます。

ファンマーケティングの主なビジネスの対象である「ファン」は、愛着があってその商品やサービスを購入しています。つまり、「好き」だから買っているわけです。

誰でも、好きなものは人に勧めたくなるものですが、ファンマーケティングはこれを利用して、ファンに商品やサービスを広めもらうのです。

ファンがSNSやブログなどで、好きな商品やサービスについて書くと、それが不特定多数の目に留まります。そして、それを見た人の中から、次のファンが生まれる可能性があります。そうすると、連鎖的に顧客が増え、結果的に利益を上げることができるのです。

ファンマーケティングを実行するための3つのポイント

ここまでは、ファンマーケティングとは何なのか、ということについて述べてきました。ここからは、ファンマーケティングを実行する上で重要な3つのポイントについて解説します。

ファンとの接点を作る

ファンマーケティングをする上でまず重要なことは、ファンとの接点を作ることです。従来の広告宣伝は、不特定多数に向けて行われているものなので、特定の誰かに向けてピンポイントで宣伝ができず、確実に顧客を獲得する上では不確定な要素がありました。

また、広告を打つだけでは企業と顧客とが直接関わることがないので、距離が縮まることがありませんでした。

確実に「ファン」を獲得するためには、不特定多数に向けてではなく、特定の層や個人に向けて情報を発信する必要があります。

そのためには、SNSやオウンドメディアを運用し、積極的に情報を発信してフォロワーを獲得したり、サロンなどのコミュニティを作って、その中でファンと企業とが情報を共有することが重要です。

企業から顧客に直接情報を発信することで、顧客が企業をより身近に感じられ、それが信頼につながります。

また、サロンなどのコミュニティを作ることは、企業からの情報を発信したり共有するだけでなく、ファンからの意見や提案をダイレクトに受け取れるというメリットもあります。また、そうすることで、商品やサービスの改善を迅速に行えるようになります。

ニーズごとに情報を発信する

獲得したファンにさらに熱狂的になってもらうためには、ファン一人ひとりのニーズに合わせた情報を的確に発信し、それぞれの需要を満たすことが重要です。

そのためには、データマネジメントプラットフォーム(DMP)などを活用し、それぞれのニーズに合わせてパーソナライズすることが必要です。

例えば、あなたがショッピングサイトを運営しているとしたら、その中であのユーザーはこういうジャンルのものを検索することが多いとか、このユーザーはこういうものを買うことが多い、といった情報を上記のようなソフトウェアを活用してパーソナライズします。

そうすることによって、顧客の傾向からニーズを予測し、それぞれに最適な情報を届けられます。

ファンマーケティングを実行し、持続させるためには、顧客のニーズに合った情報を発信し、それぞれの顧客満足度を高めることが重要です。

フォローを充実させる

ファンマーケティングにおいて、ファンを獲得することはもちろん重要ですが、それに加えて、獲得したファンと長期的にかかわってゆくことも重要です。より根強く熱狂的なファンになってもらい、長期的に応援してもらうことが、企業の長期的な事業の継続につながります。

そのためには、ファンからの要望に耳を傾け、誠実に対応することはもちろん、接客時やアフターフォローも含め、ファンと誠実に向き合い信頼を獲得することが大切です。

サロンでの情報発信の仕方も、企業側の提供したいことを一方的に発信するのではなく、ファンが何を求めているのかを汲み取り、それに合わせて情報を発信したり、コミュニケーション取ることが信頼へとつながります。

ファンマーケティングは、従来のスタイルで重要とされていた価格や機能性ではなく、商品やサービス、それらを販売している企業への信頼、愛着といったものが重要視されます。愛着や信頼を得るためには、より多くファンと接触して誠実なコミュニケーションを取ることが重要です。

もし自社のブランディングにお困りの方は、未知ブランディングメディアを使用して見ることをおすすめします。