好感認知とは?企業の認知拡大には欠かせないもの!?

この記事は、主に好感認知について深く知りたい中小企業のマーケティング担当の方向けとなっています。好感認知とは何なのか、またその特徴について述べています。さらに、自社の商品やサービスの好感認知を上げて、売り上げを伸ばすための手法や成功事例について紹介しています。

好感認知っていったい何?

日常の様々な場面で目にする広告ですが、その認知のされ方には2種類存在します。まず一つ目は「強制認知」です。これは、広告の内容に対して興味のない消費者も強力なメディアを用いて振り向かせることで、認知を獲得することです。

テレビのCM広告などがこれに当たります。この方法は、多くの人に広告を見てもらえるというメリットはありますが、興味関心のない消費者の認知も獲得してしまうというデメリットもあります。

二つ目は、「好感認知」といい、先ほど説明した強制認知とは対になるものです。消費者の興味関心に合わせて、消費者から能動的に発見されることで好感度の高い認知を獲得することです。

こちらは広告を目にする人が少ないというデメリットはあるものの、その分購買に繋がる率が高いというメリットがあります。

今日では、広告の認知のされ方として、「好感認知」のほうが好まれるようになっています。特にWeb広告ではその傾向が顕著です。

Googleでは、2018年2月からGoogle Chromeに利用者のコンテンツ閲覧の妨害になる広告をブロックする機能を実装するなど、迷惑な広告とみなされるものへの規制を強めています。

従って、今までのように闇雲に広告を出すのではなく、利用者のコンテンツ閲覧の妨げになりにくいような、利用者のニーズに合った広告を出した方が良いということになります。

さらに、生活者の価値観の多様化や細分化が加速している現状を考えると、今までのようにただ認知する人の数を増やすことよりも、広告を見た人がその商品を購入する率を上げることのほうが必要です。そのため広告の質を上げていくことが、これからの時代において重要になってくると考えられます。

また、実際に認知から購入へ繋がる率が高いほど、その商品やブランドに対して好感を持ってもらえるといった結果が出ています。

 

好感度が最優先の認知がおすすめな訳

この項では、先ほど説明した「好感認知」が重要である理由をより詳しく説明していきます。好感認知を行うことで得られる一番のメリットは、やはり、その商品やブランドのファンとなる顧客を獲得しやすいことでしょう。

例えば、あるサービスを利用したい場合、顧客は、そのサービスを提供している会社を何社か見つけ、それらを比較します。

そして、同じようなサービスを展開している何社から1社を選ぶとき、普通は「価格の安さ」「品質の良さ」「対応の速さ」など、様々な要素から総合的に判断します。

一方で、「その企業のファン」、または「その企業の社長のファン」であった場合、無数の選択肢が存在する中から、選んでもらえる可能性は著しく高くなることが考えられます。

要するに、「ファンになってもらうこと」はただ認知されることよりもビジネス的に価値があることと言えます。

商品理解されやすい

また、好感認知の良い点のひとつとして、商品理解がされやすいことも挙げられます。好感認知の場合、その商品やサービスに興味を持ってもらえる確率が高くなることが考えられます。

そこから、その商品の公式ホームページへの訪問や電話での問い合わせなど、より細かい情報を得るための行動に移してもらうことができます。それによって、より多くの情報を得て、商品の特徴や魅力をよく理解してもらえるようになります。

購入率が向上しやすい

さらに、ある商品やサービスの広告を見て好感を持った場合、購入率の向上がしやすいことも分かっています。トレンダーズによる調査では、食品・美容などの様々な分野の500のブランドについてアンケート調査を行いました。

その調査では、そのブランドを知っているかどうか(認知率)、そのブランドの商品特長を知っているか(商品理解)、そのブランドに対して好感を持っているか(好感度)、購入したことがあるか(購入率)、繰り返し購入したか(リピート率)について分析を行っています。

ここでは、2つの類似したファッションブランドについて比較を行った結果に着目します。認知率は、ブランドAが57.6%に対してブランドBが47.9%と、ブランドAが上回っています。

しかしながら、購入率を見ると、ブランドBがブランドAを上回っています。ブランドの認知から購入へ繋がった割合を見ると、ブランドAが21.2%である一方でブランドBは38.2%と大きく上回るという結果となりました。

 

好感認知で重要な2つの要素

ここからは、好感認知を狙ううえでの重要なポイントについて紹介していきます。

好感認知を獲得するためには、「ストーリーで顧客を感動させること」と「顧客と積極的に意思疎通を図ること」が重要になります。

ストーリーがユーザーを感動させる

広告を見る人の好感度を下げずに、商品やサービスの紹介を行う方法のひとつとして、ストーリーテリングというものがあります。

ストーリーテリングとは、商品のコンセプトや世界観などを、それらと関連付けられる実体験などの物語を通して伝える方法のことです。

ストーリーテリングのメリットは、顧客に伝えたい事柄をただの単語の羅列として伝えるよりも、顧客の心に響き、印象に残りやすいということです。

ストーリーテリングを用いて上手く商品のブランディングを行った例として、ヘザーというファッションブランドが挙げられます。

ヘザーの顧客となる層はティーンから20代前半の若い女性が主になります。この層はSNSで情報収集をしていることが多いため、Instagramを中心として積極的に商品の情報に関する投稿をしていました。

その効果は大きく、商品に対して興味を持ってもらえる人は年々増えていました。しかし、同じようにSNSを用いて商品の紹介を行う他社との差別化が難しくなってきました。

このまま同じような投稿を続けるだけだと埋もれてしまい、興味を持たれにくくなる恐れがありました。

そこで、他社との差別化のために新しいコンテンツとしてSNSドラマを公開することにしました。一話公開直後から多くのコメントが寄せられ、多くの人の注目を集めることができました。

また、ドラマを見たいがためにSNSをフォローしてくれる人も現れました。そして、最終的にはブランドのWebストアでの売り上げにつなげることができました。

ユーザーとコミュニケーションを取る

好感を持ってもらうためには、コミュニケーション戦略も大切になります。

友人や会社の同僚、ビジネスパートナー等と意思疎通を図ることと同じで、ユーザーのことを知り、理解し、受け入れてもらえるような関係を作ることがコミュニケーションと言えます。

コミュニケーション戦略とは、それを企業と顧客間で関係の構築を行うための戦略のことを言います。

コミュニケーション戦略を効果的に行うためには、はじめに、大体でも良いので目標や方向性などをクリアにしておく必要があります。方向性を定めたうえで細かい計画を立てることで、筋の通った効率的な戦略を立てることができます。

さらに、自社の商品やサービスが顧客にどの程度認知されていて、どのような印象を持たれているかを把握しておくことも大切です。また売り上げに繋がらない原因を明らかにしておく必要もあります。

方向性を決め、顧客からの印象などを明らかにできたら、それを踏まえて何を前面に押し出して広報を行うのかを決定します。

また、コミュニケーション戦略の手法には、様々なものが考えられます。インターネットの発達した今日では、TVなどのマスメディアのみならず、SNSの活用や自社サイトの効果的な運営などの手法も考えられます。

この時、自社の製品やサービスを利用する客層に見てもらいやすい媒体を積極的に活用すると、より効果的に顧客とコミュニケーションをとることが可能となるでしょう。

さらに、戦略を実行したあとの効果検証も重要です。最初に設定した目標に見合った成果を出すことができたのか、できなかったのならば原因はどこにあるのかなど、次につなげるための検証・分析を行います。

好感認知に焦点を当てて、様々な事例や手法を紹介しました。重要なのは、自社の商品やサービスを利用するユーザーに対して、適切な手法を用いて売り込みができるかどうかということです。