【コーポレートブランドとは?】3つの効果と企業ブランド確立の方法を解説

企業イメージに大きくかかわるコーポレートブランドは、顧客の購買行動や企業風土の育成にも関わる大事なものですが、その重要性は一般にあまり認識されていません。コーポレートブランドを構築するメリットや構築方法などについて、ご紹介をしていきます。

コーポレートブランドとは?

コーポレートブランドとは、いわゆる企業ブランドのことです。個々の商品やサービスに対する商品(プロダクト)ブランド、カテゴリブランド、事業ブランドなどの上位に位置し、企業全体のイメージや価値を決定づけるものです。

コーポレートブランドが企業にもたらすもの

ある商品やサービスの企業名を確かめた時に、どんな印象を思い浮かべるかで、お客様の購買行動は大きく変わってきます。それは本当に瞬間的なもので、いい方にも悪い方にも大きな振れ幅を持っています。

企業イメージは、それほど重要なものであるのにもかかわらず、企業内でも十分にその価値が理解されている訳ではないでしょう。しかしコーポレートブランドはその組織の持っている価値観や共通のビジョンを代表し、他社との差別化をはかれるものです。

まずはコーポレートブランドが企業にもたらす、メリットなどを確認してみましょう

社内でビジョンを共有できる

コーポレートブランドへの社内での理解を深めることで、企業や組織でのビジョンを共有することができます。組織内には、さまざまな立場や職種の違う人々が集まっているものです。

研究や企画、営業やバックヤードと、それぞれの部署でも見ている方向性や目的さえ異なるかもしれませんし、自部門の利益を優先してしまうかもしれません。また国籍や年齢などに関係なく幅広い人間が集まっている中では、共通の価値観を持ちにくい場合もあります。

そんな時に社内にコーポレートブランドを浸透させていくことで、明確な共通のイメージを持ち、足並みをそろえていくことが可能になるのです。

何より社員自身が自社ブランドに愛着をもつことで、仕事の上でのパフォーマンスやモチベーションの向上にもつながります。商品に自信を持っておすすめすることもできますし、質の高い接客や販売へとつなげていくこともできるでしょう。

優秀な人材の獲得につながる

コーポレートブランドが一般に浸透していくことで、優秀な人材の獲得へとつなげていくことも可能でしょう。少子高齢化に伴い人材の確保が難しくなっていくことが見込まれている時代、「この会社で働いてみたい」と思っていただくことは、とても重要なことです。

有名な商品を扱っていたり、製品やサービスの質を上げたりといったコンテンツそのものだけではなく、会社としての魅力を上げていくことが必要なのです。企業に憧れや関心を持ってもらうことは、会社の規模に関わらずメリットのあることです。

社会的にも意味のある仕事ができる企業なのか、何を目指している会社なのか。高額な報酬でリクルーターを引き寄せることはできるでしょうが、そういった要素に惹かれる人材は、さらにいい条件を提示されれば離れていくかもしれません。

コーポレートブランドによって共有するカルチャーやセンスなどもふくめて選んでいただければ、自社とのミスマッチを減らすことができ、企業の価値観にフィットした人材を集めることも可能となるでしょう。

顧客からの信頼が高まる

コープレートブランドの価値を高めていくことで、顧客からの信頼も高まっていくことでしょう。この製品やサービスならあの会社、と安心感を持っていただくことはとても重要です。

製品やサービスに信頼感を持っていただいていれば、無理な販促やキャンペーンをしなくても、自社製品を選んでいただけるでしょう。そのためには顧客と直接に、または間接的に接する社員ひとりひとりがブランドの価値を理解し共感していることは必要です。

どの支店や支社でも、または海外でも顧客に常に同じ商品やサービスを提供することができれば、企業そのものに愛着を持っていただくことが可能なのです。リピート率も高まるでしょうし、好きな商品を口コミやSNSによって積極的に他の人にも広げていってくださるかもしれません。

単に消費者としてだけでなく、クラウドソーシングなどを通して自社製品の開発に参加してくださる場合もあるでしょう。また企業自体に信頼感を持っていただければ、株式などを通して資本を集めることも容易となります。

 

 

コーポ—レートブランドの具体的な作り方

コーポレートブランドを構築することは、これほど重要でメリットも大きなものであるのにも関わらず、その意義は社内でもなかなか理解されにくいものかもしれません。

確かに事業を継続していれば、製品やサービス、社会的貢献活動などによって自社イメージは自然に広がっていくものでしょう。ただ、そのイメージは常にいい方向へと定着していくとは限らないのです。

企業の価値やイメージ性を社員もふくめて、お客様や社会に積極的にアピールして共感を得ていくことは、事業の成否にもかかわってくるほど重要なものなのです。

ここでコーポレートブランドにとって大事なことや、具体的な作り方についてみていきましょう。

自社のイメージや評価を知る

まずは現在の自社のイメージや評価を、きちんと把握することが必要です。いくらコーポレートブランドの構築と言っても、現状とかけ離れたりしていたり、理想だけを追い求めたものになってしまっては意味がないでしょう。共感を得ることもできません。

そのためには客観的な視点を持って、自社の現状を分析してみましょう。どんな製品やサービスを提供しているのか。それは社会のどんな場面で役に立ったり、必要だったりするのか。対象の顧客や提供場所なども、イメージ戦略を考える上では押さえておくべき点です。

市場での価値や評価を知って、現在の立ち位置を把握するのも役に立つことでしょう。自分たちでは見つけにくい、自社の価値に気づけるかもしれません。

一方、現在では企業は利益追求だけではなく、社会的貢献やコンプライアンスなどについても求められるようになってきています。過去に社会問題化したケースもありますが、企業の魅力や方向性を伝えられる分野となりえます。

これまでアピールしてきたつもりでも、意外と知られていないことなどもあるかもしれません。また企業ロゴやデザイン、Webデザインや情報の伝え方など、変えていくべきところがないのか等もふくめて、洗い出しをしてみるのもいいかもしれません。

ブランドを定義する

自社の現在の状況を把握することができたら、コーポレートブランドの目指すべき方向性や価値を定義づけていきましょう。現状分析して見極めることで、自社の強みやアピールすべきポイントも見えてきます。

ただ、その際には経営者や担当部門の趣味嗜好や思い込みだけに、片寄らないように注意が必要です。社員や社会と価値やイメージを共感・共有できることが、何より重要なのです。押しつけるだけでは、うまく伝わっていきません。

また企業の規模や風土、業態にあったものとすることは必要でしょう。ブランドといえば高級感や、センス、グローバルな印象などを目指して広げていくものだという誤解もありますが、それだけではありません。

モノづくりの姿勢や安全性、あの会社なら間違いないという信頼感なども広くアピールするポイントでしょう。定義する過程では、他部門やお客様など、さまざまなステークホルダーの意見やイメージなども取り入れることを考えてみてください。

まとめ

ここまでコーポレートブランドや確立をするための方法などについてご紹介をしてきましたが、いかがだったでしょうか。

他社との差別化をはかれる企業イメージは商品やサービスの売上にも直結し、社内風土を育てていく上でもとても大切なものにもかかわらず、社内や経営サイドの方々にも、その重要性がきちんと広まっていませんし、その具体的な手法も共有されてはいないでしょう。

企業の知名度やイメージのアップのためにも、この機会にコーポレートブランドの構築を考えてみましょう。自社のブランディングにお困りの方は、ぜひ未知ブランディングメディアにご相談ください。