教育訓練給付金とは?学びながら仕事をする社会人は活用すべき国の制度をご紹介

「キャリアアップのために資格を取りたい、短期間で勉強できる学校に通いたい。でも、今の状況では厳しいな」と踏みとどまっていませんか。 あなたが会社勤めであれば、多くの場合では「雇用保険」に加入されていることでしょう。 2018年1月から雇用保険法の一部が改正、「教育訓練給付金制度」が拡充されました。給付対象となる被保険者期間の要件が緩和されるなど、申請のハードルも下がっています。 働き方改革の推進で人材育成需要も高まっているなか、この支援制度を活用して今後のキャリアプランを見直してみてはいかがでしょうか。

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「教育訓練給付金」ってどういう制度?

この記事で紹介する「教育訓練給付金制度」は、あなたが取りたい資格の専門学校費用の一部を国が補助する制度です。

教育訓練とは、国と民間の教育期間とが連携して運営している、厚生労働大臣から指定を受けた講座のことをいいます。

大きなメリットとして、本来は多額の学費が必要になる一般的な専門学校よりも費用負担が少ないことがあります。受講開始の1~2ヶ月前から申請をして、自分のスケジュールを調整することもできます。対象の講座に前から勉強したかったものがあれば、利用しない手はありません。

社会に出てから学びたいことがあったとき、学費を全額自費でまかなうのには、無理が生じることがあります。そこで、前向きに今後のキャリアアップを目指す方をサポートするため、平成26年から始まったのがこの給付制度です。

教育訓練給付金とは

条件はその制度ごとにやや異なるものの、多くの場合であれば、選択した講座を申し込み、無事修了した時点での給付申請で受給できます。

なかには専門性の高い資格の取得を目指せるものもあるため、気になる講座がないか、ぜひ調べてみてください。

教育訓練給付金の種類

教育訓練給付金は、現在4種類設置されています。

一般教育訓練給付金

  • ・給付額

本人が支払った教育訓練経費の20%(上限10万円)がハローワークから給付されます。

  • ・給付対象者は、以下のいずれかを満たす人です。

(1)雇用保険の一般被保険者等=つまり、在職中の方

一般教育訓練の受講開始日に、支給要件期間(同一の事業主に一般被保険者等または短期雇用特例被保険者として雇用された期間)が3年以上ある方

(2)雇用保険の一般被保険者等であった方=つまり、現在は離職している方

一般被保険者等の資格を喪失した日(離職日の翌日)以降、受講開始日までが1年以内であり、かつ、支給要件期間が3年以上ある方・雇用保険の被保険者

引用:政府広報オンライン「専門実践教育訓練給付金の拡充であなたのキャリアアップを支援します」(2018年)

専門実践教育訓練給付金

  • ・給付額

一般教育訓練よりもさらに専門性の高い指定講座を受講した場合に、教育訓練経費の最大70%(年間上限56万円)が最大3年間給付されます。

この給付率70%の内訳は、(A)訓練施設に支払った費用の50%(年間上限40万円)+(B)訓練修了後1年以内に目標とした資格の取得など一定の条件を満たすと、費用の20%が追加され、合計70%(年間上限56万円)となります。

この専門実践教育訓練の給付金制度のポイントのひとつが、訓練期間6か月ごとに支給申請を行うため、教育訓練中から支給を受けられることです。詳しい対象者の要件を見ていきます。

  • ・給付対象者は、次の(1)または(2)に該当し、厚生労働大臣が指定する専門実践教育訓練を修了する見込みで受講している方と修了した方です。

(1)雇用保険の一般被保険者等

専門実践教育訓練の受講開始日に、支給要件期間(同一の事業主に一般被保険者等または短期雇用特例被保険者として雇用された期間)が3年以上ある方

(2)雇用保険の一般被保険者等であった方

一般被保険者等の資格を喪失した日(離職日の翌日)以降、受講開始日までが1年以内であり、かつ、支給要件期間が3年以上ある方

なお初めて専門実践教育訓練給付金の支給を受けようとする方については、支給要件期間が2年以上であれば受給可能です。

特定一般教育訓練給付金

  • ・給付額

税理士、社会保険労務士などの資格取得を訓練目標とする課程や、介護職員初任者研修などの講座があり従来よりもさらに選択肢が充実しています。

  • ・対象となるのは、以下のいずれかを満たしているかつ特定一般教育訓練を修了した方です。

(1) 雇用保険の被保険者

特定一般教育訓練の受講開始日において、雇用保険の被保険者のうち、支給要件期間が3年以上ある方。

(2) 雇用保険の被保険者であった方

受講開始日において被保険者でない方のうち、被保険者資格を喪失した日(離職日の翌日)以降、受講開始日までが1年以内(適用対象期間の延長が行われた場合には、最大20年以内)で、支給要件期間が3年以上ある方。

なお、初めて教育訓練給付の支給を受けようとする方については、当分の間、支給要件期間が1年以上あれば可となっています。

これは早期のキャリア形成などをサポートするため、給付率の倍増などを目標に2019年10月に新設されました。

教育訓練支援給付金

※2022年3月31日まで

  • ・給付額

日額計算です。日額は、原則として離職する直前の6か月間に支払われた賃金額から算出された基本手当(失業給付)の日額に相当する額の80%になります。

基本手当の日額は、原則として離職する直前の6か月間に支払われた賃金の合計金額を、180で割った金額(賃金日額)の80%~45%になります。(上限あり)

  • ・給付対象者

専門実践教育訓練給付の受給資格者のうち、さらに以下のような離職者の方が対象です。

  • ・一般被保険者でなくなってから1年以内に専門実践教育訓練を開始する方
  • ・専門実践教育訓練を修了する見込みがあること
  • ・専門実践教育訓練の受講開始時に45歳未満であること
  • ・受講する専門実践教育訓練が通信制または夜間制ではないこと
  • ・受給資格確認時において離職していること。また、その後短期雇用特例被保険者または日労働被保険者になっていないこと
  • ・会社役員、自治体の長に就任していないこと
  • ・教育訓練給付金を受けたことがないこと(平成26年10月1日以前に受けたことがある場合は例外があります)
  • ・専門実践教育訓練の受講開始日が2022年3月31日以前であること

この期間付近で受講を考えている場合は、対象となるかチェックをしておきましょう。

そして、教育訓練支援給付金を受けるには、原則として2か月に1回の教育訓練支援給付金の認定日に、失業の認定を受ける必要があります。

  • ・支給期間

その教育訓練が修了するまで

(専門実践教育訓練を修了する見込みをもって受講している間)

(教育訓練支援給付金は受給資格者が基本手当の給付を受けることができる期間は支給されない)

また、教育訓練支援給付金は、適切に専門実践教育訓練の講座を受講しているかどうかも重要です。次のような場合は、原則として教育訓練支援給付金は支給されません。

  • ・欠席をした日
  • ・2か月間の出席率が8割未満になったとき
  • ・講座をやめたとき
  • ・成績不良や休学などの事情で専門実践教育訓練を修了する見込みがなくなったとき

また、2か月間の出席率が8割未満になった場合、以後は一切、教育訓練支援給付金は支給されなくなります。

また、講座をやめたときや、成績不良や休学などの事情で専門実践教育訓練を修了する見込みがなくなったときも、教育訓練支援給付金が支給されなくなります。

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どうやって教育訓練給付金を活用するの?

どのような種類の給付金があるかについて解説しました。ここからは、制度をさらに活用する方法や、具体的な申請方法について説明します。

教育訓練給付金が活用できる資格

給付金制度でカバーできるのは講座の受講費用だけではありません。行政書士やファイナンシャルプランナーなどといった難関資格を取ることも可能です。

しかし対象外となる資格もあるため、厚生労働省が公開しているこちらの検索ページからあなたが取りたい資格が給付金をもらえる対象なのかを調べてみてください。

教育訓練給付制度[検索システム]

申請の仕方

申請したい給付金によって申請の仕方や提出する書類がやや異なります。ここでは、いちばんベーシックな「一般教育訓練給付金」の場合を紹介します。

なお、支給申請手続きは、教育訓練を受講した本人が、受講修了後、原則として本人の住所を管轄するハローワークで申請する必要があります。申請は講座修了の1ヶ月後までに行わなければなりません。

般教育訓練給付金を申請する場合の必要書類は、以下のとおりです。もれのないよう用意しておき、ハローワークで申請手続きをしましょう。

【教育訓練を受講する教育施設から発行される書類】

1.教育訓練給付金支給申請書

2.教育訓練修了証明書

3.領収書

【キャリアコンサルティングの費用の支給を申請する場合】

4.キャリアコンサルティングの費用にかかる領収書、キャリアコンサルティングの記録、キャリアコンサルティング実施証明書

【自分で用意する書類】

5.本人・住所確認書類および個人番号(マイナンバー)確認書類

6.返還金明細書

7.払渡希望金融機関の通帳またはキャッシュカード

【ハローワークで受け取る書類】

8.教育訓練経費等確認書

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教育訓練給付金を活用する際の注意点

ここからは、活用する際の注意点を解説します。一部ではありますが、見過ごすと給付対象外になることもあるため、よく確認してください。

キャリアコンサルタントを活用して賢く受給しよう

訓練講座の開始日までに、「訓練対応キャリアコンサルタント」とよばれるスタッフの方とキャリアコンサルティングの機会がつくられます。

あなたの今までのキャリアについて深く掘り下げて、今後身に付けたいスキルに適している講座があるか、なども詳しく説明してくれるため、積極的に活用しましょう。

もちろん不正受給をすることはやめましょう

不正に受給した場合には、受給した金額の返還はもちろん、さらに返還額の2倍の金額の納付を命ぜられ、詐欺罪として刑罰に処せられる可能性もあります。

制度は計画的に、正しく利用しましょう。

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まとめ

紹介したような教育訓練給付金を最大限に活用するには、無理のない生活スタイルを送る必要があるため、スケジュールに余裕をもって申し込みましょう。

また、給付制度ごとに例外となる条件もあります。せっかく受給資格を得られたのに詳細まで確認していなくて支給認定がされなかった、ということがないよう慎重に選びたいですね。

正しく、賢く教育訓練給付制度を知ることで、あなたの学びに大きなサポートが受けられます。