株式会社EF
採用特化型AIチャットBotで、利用者の10%がエントリーへ ─ エージェントに頼らない、新しい採用手法
案件概要
応募前から選考中まで、候補者一人ひとりの興味関心に合わせて社長の考え方を伝える──株式会社EFは、新しい採用コミュニケーションの在り方として、2025年11月より採用特化型AIチャットBot「AI採用社長」を導入。運用開始から5ヶ月、実際にどのような成果が出ているのか。代表取締役・山田亜人氏に話を伺った。(インタビュアー:未知株式会社 坂元)
株式会社EF(EF.CO.LTD)
https://ef-official.co.jp/recruitment/解決したい課題
組織拡大に伴う「社長の考え」の浸透不足
採用における「候補者の本音」の引き出しと相互理解の不足
エージェントに依存しない自社採用力の強化
施策
社長の思考を学習させたAI採用社長の設置
蓄積された質問データに基づく「採用コミュニケーション」の改善
AI回答と「採用オウンドメディア」の連携強化
目次
「社長の言葉」を24時間届ける、新しい採用接点の構築
坂元:
― まずは、AI採用社長を導入しようと思われた経緯からお聞かせください。
山田:
坂元さんが凄くいいサービスを作った、と仰られて案内を受けたのがきっかけです。
坂元さんからは以前より、弊社の採用や組織づくりでご支援をいただいていました。弊社のことを良く理解している坂元さんから、「EFさんに合うサービスだと思います」とご案内頂きました。
その上で、坂元さんからAI採用社長で解決できる課題やサービスの特徴についてお話を伺いました。
社長である私の考え方をインプットした上で、24時間365日、私の言葉で回答してくれる。しかも匿名で利用できるので、利用者も気兼ねなく本音の質問ができる。
話を聞いた時、率直に「面白いサービスだな」と感じました。
元々私は、どんなサービスもやってみなければわからないから、面白いと感じたのであればとりあえずやってみよう、という考え方で、価格帯もそこまで高いものでなかったのもあって、とりあえずやってみるか、ぐらいのノリで導入を決めました。
坂元:
― どういった部分に「面白い」と感じて頂いたのでしょうか。
山田:
SNSを活用して認知を広げている会社なので、ホームページにたどり着いた方が、AI採用社長を使って、より興味を深めてもらい、その上で応募してくれる人が増えたらいいな、というのはもちろんありましたが、面白いと思ったのは部分は別にありました。
それは、このサービスはインナーブランディングに使えるな、と思ったところでした。
会社として成長して規模が大きくなっていく中で、全社員に私の考え方や熱を伝えることがだんだんと難しくなってきたの中で、このサービスを社内の人たちにも使ってもらうことで、私の考えの浸透や社員の悩みの解決ができるようになるのでは、と考えました。
エントリー率10%の衝撃。匿名だから見えた「候補者の本音」
坂元:
― 実際に導入してから5ヶ月が経ちました。率直な手応えはいかがでしょうか。
山田:
インナーブランディングに関しては、まだあんまり使ってもらうためのアクションをこちらがしていないので、これから、といったところですが、応募者の方に関しては想像以上に使っていただいている実感があります。
直近3ヶ月で見ると、月間で約40名の方がAI採用社長を利用し、実際に会話を重ねてくださっている状況です。
数字として最も手応えを感じているのは、エントリー率の部分です。応募を検討している段階でAI採用社長を使用した方のうち、10%がエントリーまで進んでくださっています。
エージェント経由で中途採用を行うと、1人あたり100万円以上の紹介フィーが発生しますが、自社サイト経由でのエントリーであれば、当然そうした紹介料はかかりません。
その入口にAI採用社長を置くことで、これだけ応募が増えるというのは非常に魅力的な採用手法の一つだと感じています。
坂元:
― AI採用社長の利用者からは、実際にどのような質問が寄せられていますか。
山田:
坂元さんから聞いていた通り、「本音」ベースの質問が多い印象があります。
たとえば「残業時間は実際どれくらいか」「有給の取得率は」「部署異動や配置転換はあるのか」「社内の男女比率は」といった、働き方や選考プロセスに関する具体的な質問。あるいは「仕事をしていて辛いと感じる時はありますか」といった社内のリアルに踏み込む質問もありました。
こうした質問は、おそらく会社説明会や面接の場ではなかなか出てこないと思うんです。聞きづらかったり、時間の関係上もっと聞きやすい質問だけして終わってしまったりする。
AI採用社長は、匿名性で利用でき24時間365日いつでも気軽に使える場だからこそ、利用してくださった方も本音で質問ができているのだろうと思います。
坂元:
― AI採用社長と利用者のやり取りを見て、発見や意外だったことはありましたか。
山田:
二つあります。
一つは、想像以上に深い対話が成立していること。5問、10問と立て続けに質問を重ねてくださる候補者の方が一定数いて、入社後の働き方から私個人の考え方まで、かなり踏み込んでやり取りされているケースもあります。
もう一つは、候補者の関心のありかがデータとして見えるようになったことです。
どんな質問が多いか、どの質問で離脱が起きているか、といった情報が蓄積されていくので、「うちの会社に興味を持ってくれた人が、本当に気にしているのはここなんだ」と理解できる。これは採用コミュニケーションの設計そのものを磨いていく上で、非常に価値のある一次情報になっています。
AIを会社の「資産」へ。オウンドメディアや社内活用への展開
坂元:
― 今後、AI採用社長をどのように活用していきたいですか。
山田:
まずは回答精度のさらなる向上に取り組んでいきたいと考えています。
正直に申し上げると、導入から半年弱が経った今でも、候補者から寄せられる質問のすべてに十分に答えきれているわけではありません。働き方の細かな部分、社内のリアルな声、事業内容に踏み込んだ専門的な問いなど、まだデータとして整備できていない領域があります。
まずは、ここを地道に埋めていきたい。いただいた質問を蓄積しながら、どんな方から、どんな角度の質問が来ても、きちんと回答できる状態を作っていきたいです。
二つ目は、弊社の採用オウンドメディアとの連携です。
AI採用社長に寄せられる質問のデータを見ていると、候補者の皆さんがどんなテーマに関心を持っているかが見えてきます。
その関心領域に合わせて採用オウンドメディア側でコンテンツを作成し、AI採用社長が回答する際に「こちらの記事で詳しくお話ししていますので、よろしければご覧ください」といった形で、記事を添えて紹介していく。回答とセットで、一歩踏み込んだ情報にアクセスできるようにしていきたいと考えています。
そうすることで、AI採用社長と採用オウンドメディアという二つの接点を相互に活かしながら、弊社がすでに持っている採用コンテンツを最大限に活用していきたいと考えています。
こうして磨き続けていくことで、AI採用社長そのものを弊社の”資産”にしていきたいと思っています。
積み重なったデータ、磨かれた回答精度、そして採用オウンドメディアとの連動。それ自体が、採用活動を長く支え続ける基盤になっていく。そんなイメージです。
そして、もう一つが元々考えていた、インナーブランディングへの活用です。
AI採用社長には、すでに私の考え方がインプットされています。これは採用候補者だけでなく、社員の質問に対しても社長目線で的確に回答できるということでもある。普段、社長に直接聞きづらいような話も、AI採用社長を挟めば社員は気軽に質問できます。匿名で利用できるので、率直な声が出やすい。
そして、その質問の内容そのものが、社員が今何を気にしていて、どんな課題感を持っているかを可視化する材料にもなります。
採用のために育ててきた”資産”が、社内コミュニケーションや組織理解の装置としても機能すると考えており、既に坂元さんにはご相談しており、まさに対応いただいているところです。
坂元:
― 最後に、AI採用社長の導入を検討している企業の経営者・採用担当の方へ、メッセージをお願いします。
山田:
“AI”と聞くと、無機質なチャットボットを連想される方もいらっしゃるかもしれません。ですが、実際に運用してみた実感は違います。AI採用社長は社長自身の考えや価値観を代弁し、候補者と対話する装置です。
導入して終わりではなく、候補者から寄せられる質問を通じて、自社の採用コミュニケーションそのものを磨き続けられる。
弊社の場合、5ヶ月間で利用者の10%を応募まで後押しできた実績があり、これは紹介料のかからない自社サイト経由での数字として、非常に意義があると感じています。
自社の採用に本気で向き合いたい、候補者一人ひとりと誠実に対話したいと考えていらっしゃる企業にとっては、間違いなく選択肢のひとつになるサービスだと思います。
坂元:
― 今後も御社の課題解決に向けて全力でサポートいたします。本日はありがとうございました。
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