コンテンツマーケティングのKPI設定の手順とは?具体例を交えて解説

コンテンツマーケティングでは、目標達成に向けた道のりを正確に測定し、進捗を管理するためにKPIを設定する必要があります。例えば、問い合わせ数の増加が見られない場合には、コンバージョン率やウェブサイトへの流入数などのKPIをチェックするとよいでしょう。このようにコンテンツマーケティングにおけるKPIの設定は、戦略の有効性を評価し、成功に向けた道のりを明確にするために不可欠な要素といえます。そこで今回は、コンテンツマーケティングにおけるKPI設定の方法について解説します。

コンテンツマーケティングはKPIを立てにくい?

コンテンツマーケティングは広告にくらべてKPI(重要業績評価指標)はわかりにくいといわれていますが、効果を測れないわけではありません。

KPIは、コンテンツマーケティングの明確な指標を元に、効果測定や施策の改善ができます。コンテンツマーケティングにおけるKPIを考えるには、まずKGI(重要目標達成指標)から行いましょう。次に目的から考えられるKPIの立て方を紹介致します。

コンテンツマーケティングにおけるKPIの設定方法

コンテンツマーケティングにおいて、KPIを設定するための具体的な手順を以下の3つのステップで解説します。

1.コンテンツの種別・目的を整理する
2.顧客フェーズに応じてコンテンツを振り分ける
3.顧客フェーズに応じたKPIを設定する

それぞれ詳しくみていきましょう。

手順1.コンテンツの種別・目的を整理する

まずは自社のコンテンツの種類と目的、流入経路などを洗い出し、コンテンツの一覧を作成します。各コンテンツの目的や対象ユーザー、提供している価値などを詳細に見極めるために必要なステップです。

コンテンツの種類 ・記事
・動画
・インフォグラフィック
・SNS投稿
・ニュースレター など
コンテンツの役割 ・認知獲得
・見込み顧客獲得
・リード育成
コンテンツの流入経路 ・検索エンジン
・SNS など

コンテンツの種類と目的を体系的に整理し、それにもとづいて効果的なKPIを設定する土台を築きます。

手順2.顧客フェーズに応じてコンテンツを振り分ける

次のステップでは、顧客の購買プロセス(カスタマージャーニーマップ)を理解し、各フェーズ(認知、検討、購入など)に適したコンテンツを分類します。コンテンツが各フェーズにおいて最大限の効果を発揮できるようにするためです。

フェーズ

適したコンテンツ

コンテンツの例

認知フェーズ

顧客がブランドや製品を知るためのコンテンツ

・教育的なブログ記事
・動画
・インフォグラフィック
など

検討フェーズ

顧客が製品の検討を始めた段階に合わせたコンテンツ

・製品比較ガイド
・カスタマーレビュー
・詳細な製品情報 など

購入フェーズ

購入を決定するためのコンテンツ

・プロモーション情報
・購入促進キャンペーン
・使い方ガイド など

ロイヤリティフェーズ

既存顧客の維持と関係強化のためのコンテンツ

・ロイヤリティプログラム
・アフターケア情報 など

このように顧客フェーズに応じてコンテンツを適切に振り分けると、効果的なマーケティング戦略を実現できます。

手順3.顧客フェーズに応じたKPIを設定する

最後のステップでは、各顧客フェーズ(認知、検討、購入など)に合わせた具体的なKPIを設定します。フェーズごとの目標に適したKPIを選定し、これらの指標を測定します。

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【目的別】コンテンツマーケティングにおけるKPIの設定例

新規顧客の獲得、見込み顧客の育成、既存顧客の継続の各フェーズでは、設定すべきKPIが異なります。目的別におけるKPIの設定例をみていきましょう。

新規顧客の呼び込みに関するKPI設定

新規顧客の呼び込みに関するKPI設定は、主に以下の4つです。

・セッション数
・PV数
・UU数
・資料ダウンロード数

■セッション数

セッション数は、特定の時間内にウェブサイトを訪れたユーザーの訪問回数です。例えば、1日に100人のユーザーがそれぞれ2回ずつウェブサイトに訪れた場合、1日のセッション数は200とカウントされます。

セッション数の多さは、コンテンツへの興味や関与度の高さを反映し、新規顧客の獲得効果を示します。

■PV数

PV数(ページビュー数)は、ウェブサイトの特定ページが何回閲覧されたかを示す数値です。

どのコンテンツが人気なのか、そのコンテンツが訪問者にどれだけ受け入れられているかを示し、コンテンツ戦略の有効性の評価に役立ちます。

■UU数

UU数(ユニークユーザー数)は、特定の期間内にウェブサイトを訪れた独立したユーザーの数を測る指標です。

セッション数とは異なり、同じユーザーが一定期間内に何度ウェブサイトを訪れても1回としてカウントされます。

UU数の増加は、これまで訪れていなかった新しい顧客が興味を持ち始めていることを意味します。

■CV数

CVはコンテンツマーケティングの目的を指します。例えば、オウンドメディアを運営している場合のCVs設定を「資料ダウンロード」とします。ここでいうCVは、ホワイトペーパーや自社商品の取扱説明書など、提供している資料のダウンロード数を測る指標です。

資料ダウンロード数が多いと顧客の関心度が高く、最終的な購入や申し込みなどへとつながる可能性が高いと評価できます。

見込み顧客の育成に関するKPI設定

見込み顧客の育成に関するKPI設定は、主に以下の3つです。

・エンゲージメント率
・回遊率
・SNSのシェア数・シェア率

■エンゲージメント率

エンゲージメント率は、ユーザーがウェブサイトやコンテンツにどれだけ積極的に関与しているかを示す指標です。

ページの滞在時間やクリック率、コメントの数など、ユーザーの行動をもとにして測定されます。エンゲージメント率の高さは、効果的にユーザーとの関係を築いていることを示しています。

■回遊率

回遊率は、ウェブサイト訪問者が複数のページを訪れる割合を表す指標です。高い回遊率は、ウェブサイトのコンテンツがユーザーを引きつけ、関連する情報やサービスに興味を持たせていることを意味します。

■SNSのシェア数・シェア率

SNSのシェア数・シェア率は、コンテンツがソーシャルメディア上でどれだけ共有されたかを測定する指標です。

高いシェア数やシェア率は、コンテンツの影響力や拡散力の高さを示し、ブランドの認知度向上に寄与します。

既存顧客の継続に関するKPI設定

既存顧客の継続に関するKPI設定は、主に以下の2つです。

・リテンション率
・顧客満足度

■リテンション率

リテンション率は、既存顧客が特定の期間内にサービスや製品を繰り返し利用したり、再購入したりする割合を測る指標です。

高いリテンション率は、顧客ロイヤルティの高さやブランドの忠誠度の強さを反映しています。

■顧客満足度

顧客満足度は、提供された製品やサービスに対して顧客がどれだけ満足しているかを測る指標です。顧客満足度の測定・評価は、アンケートや顧客レビューなどで行います。

高い顧客満足度は、顧客が将来も同じブランドの製品やサービスを再び利用する可能性が高いことを意味します。

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まとめ

コンテンツマーケティングでは、適切なKPIの設定によりサイトのパフォーマンスを評価することで改善点を特定できます。

とくに重要なのは、顧客フェーズに応じたKPIの選定です。顧客フェーズに適したKPIを設定すれば、各段階における効果的なマーケティングアプローチが可能です。

しかし、KPIの設定とその分析は複雑で、専門的な知識が必要な場合があります。自社での対応が難しい場合は、専門のコンサルティング会社への依頼を検討するとよいでしょう。