新規顧客を獲得するためのブランド認知向上施策

より多くの人に自社商品やサービスを知ってもらい、購入していただくためにはブランド認知を獲得していく必要があります。そもそもブランド認知を獲得するとはどのような意味合いがあるのか、実際にブランド認知を獲得するためのマーケティング手法について解説します。

「認知」とは

地元では有名な企業でも、全国展開をしようとする際に苦戦する企業は数多くあります。どんなに優れたアイディアや商品でも、企業のブランド認知度が低いと、ブランド認知度の高い企業に対抗することは難しいでしょう。

例えば、外出先でブランド知名度が高い大手カフェチェーン店と、小さな地元のカフェが並んでいたとします。地元で有名な店だとしても、その評判を知らない人ならあえて小さなカフェに入ってみようとする人は少ないでしょう。

ですが、小さなカフェを知る人が近くにいて「この店のブレンドは実にうまい味わいだ」と聞けば、小さなカフェを選ぶ人も増えるでしょう。

小さなカフェの強みや優位性を知る人がいれば、このように選ばれる機会が増えます。大手カフェチェーンは知名度が高くても、この場合小さなカフェの認知度の方が勝ったといえます。

小さな企業でも、その商品価値を知る人が増えていけば、自然と選ばれる企業になっていきます。単純に多くの人に認知されていればよいわけではなく、深く認知されている方が重要になることがあります。

認知というのは単純に知られているというだけではなく、その企業や商品、サービスの良さを知られ、認められることです。

実務としてブランドを考える場合、主に再生と再認の二つに分けられます。具体的には「カフェといえば○○」と、すぐに思い浮かぶのが再生です。一方で「○○を知っている、聞いたことがある」が再認です。

結局、ブランドを単純に広めるのではなく、ブランドの良さを知ってもらう、認めてもらう、というマーケティングを行い、認知度を獲得することが重要です。

潜在顧客の認知を獲得するためのマーケティング施策

これから自社や自社の商品、サービスを認知し、興味を持ってくれるはずの顧客を「潜在顧客」といいます。潜在顧客が自社を知り商品やサービスを知ってもらうためには、マーケティングを行う必要があります。

マーケティングを行う方法は色々ありますが、従来のメディアである「テレビ」「ラジオ」「新聞」「雑誌」以外にも、インターネットを活用する手段があります。

男性であれば40代より前の世代、女性であれば30代より前の世代の人は、従来のメディアよりもインターネットに接する時間の方が長い傾向があります。このためターゲットとする年代がこれらの層の場合には、インターネットを使ったマーケティングを行う方が効率的といえます。

インターネットを活用したマーケティング手段として代表的な4つの手段を解説していきます。

純広告

インターネットのポータルサイトをチェックすると、いくつかの広告が表示されます。このような広告のことを「純広告」といいます。

認知を獲得するために社名や商品名、サービス名を露出することが目的の広告手法です。

純広告を目にする人は、検索の結果自社の広告を見つけるのではなく、偶然広告を目にすることになります。つまり、潜在顧客に向かって広告を表示させ、認知を獲得するのが目的となります。

純広告は広告を表示させる人を絞り込むことも可能です。例えば、30代男性だけをターゲットにしたければ、デモグラフィックターゲティング広告という手法がよいでしょう。

朝だけまたは夜だけなど表示させる時間を絞りたい場合には、時間帯指定配信広告という手法があります。

純広告のメリットは、料金体系がはっきりとしており露出効果が高い点があります。短期間でも多くの人に周知させることが可能で、潜在顧客にも認知される確率が高いといえます。

一方純広告は掲載料金が高いというデメリットもあります。またコストパフォーマンスがよいとは言えません。大手企業がプロモーションなどで使うのに適したマーケティング法といえます。

アドネットワーク広告

アドネットワーク広告はその名前の通り広告を配信するネットワークに対し広告配信を依頼することで、複数のサイトで広告を表示させるマーケティング方法です。

広告を掲載するサイト選びをわざわざ行う必要がなく、個別に掲載依頼をする必要もありません。代表されるアドネットワークには、GDN(Googleディスプレイネットワーク)やYDN(Yahoo!ディスプレイアドネットワーク)があります。

アドネットワークのデメリットをあげると、広告を表示させたいサイトの管理は行えないことでしょう。

つまり潜在顧客の認知を獲得したいと考えていても、ターゲットとなる潜在顧客が閲覧しないサイトに広告が表示される可能性があります。たとえば、自社にとってはマイナスとなるようなサイトに広告が表示される可能性が否定できません。

アドネットワーク広告は入札により表示される優先順位が決まります。クリック単価やインプレッション単価を下げてしまうと、それだけ優先順位は下がってしまいます。適度な量の広告を表示させるためにはバランス感覚が必要となるでしょう。

メリットに目を向けていくと、広い範囲の認知の獲得が可能で、手間を省きマーケティングが行えます。まったく関係がないサイトに配信されないよう、サイトのジャンルを絞ることや、純広告のように時間帯を絞った配信やターゲットを絞った配信も可能となります。

ソーシャルメディア広告

認知の獲得のためのマーケティングツールとして主流となっているのがソーシャルメディア広告です。その名前の通りソーシャルメディアに対して広告を配信する手法です。ソーシャルメディアは拡散性が強く、マーケティングターゲットが絞り込みやすい特徴があります。

ソーシャルメディアに登録するときに、ユーザーは年齢や性別、居住地などのプロフィールを登録します。このような情報をもとにして、広告を表示させるターゲットが絞り込みやすくなっています。

ソーシャルメディアごとに特徴があるため、マーケティングを掛けたい商品やサービスがどのソーシャルメディアに向いているかをよく考えて選ぶとよいでしょう。代表的な5つのソーシャルメディアについて、その特徴を簡単にまとめます。

Facebookは氏名や職業などかなり詳細なプロフィールが登録されるため、狙っているターゲットに的確にマーケティングが行えます。ターゲットを確実に絞り込みたい場合に適したソーシャルネットワークです。

Instagramは、若い女性が利用するソーシャルメディアといえます。アパレル系、美容系、旅行関連といった若い女性が興味を持つ商品やサービスのマーケティングに適しています。

Twitterの利用者は、10代から20代の学生がメインです。つまり若年層向けのマーケティングに有利で、初期投資がいらないメリットもあります。

LINEは、日本国内ではユーザー数が多く幅広い年代のユーザーがいる点や、普段から日常的に使われているソーシャルメディアという特徴があります。広告を閲覧することも増えるため、幅広い世代の認知を獲得したい場合に適しています。

Tik Tokは若年層ユーザーが大半のソーシャルメディアです。このため、若年層をターゲットとしたい場合は効果的です。

チャレンジという手法で、ユーザーを巻き込みながらマーケティングを仕掛けることも可能です。ソーシャルメディアとしては新しいメディアですが、ユーザー数が拡大中でこれから注目したいソーシャルメディアといえます。

コンテンツメディア

今までご紹介した3つのマーケティング手法は「広告」でした。最後にご紹介するコンテンツメディアは、コンテンツを大量に配信し、集まったユーザーをさらにほかのコンテンツに誘導するタイプのマーケティング手法です。

例えば、ゲームの攻略法を配信し続けることで、そのゲームをプレイするユーザーが集まってきて、やがてファンとなります。ファンが増えればわざわざ企業がマーケティングに力を割かなくても、自然にターゲットとなるユーザーが集まってきます。

ここにゲーム関連の商品やサービスの情報を配信することで、ターゲットを絞り込んだ状態で潜在顧客の認知が獲得できます。

コンテンツメディアとしてあげられるのが、「オウンドメディア」「ブログ」「ソーシャルメディア」でしょう。

運営には時間がかかり、短期間で収益が上がるわけではありませんが、潜在顧客を集めやすく、広告コストを大幅に抑えることが可能です。さらに、ロイヤルカスタマー獲得にもつながりやすいと言えるでしょう。

 

認知獲得からロイヤルカスタマーになるまで

ロイヤルカスタマーは、自社の商品やサービスを愛し、継続的に購入するだけではなく、さらに周りに広めてくれるようなユーザーをさします。

多くの企業が取り入れているポイントサービスや、購入履歴によるランクアップ制度などがロイヤルカスタマーを得るためのマーケティング手法です。認知獲得からロイヤルカスタマーになるまでの流れを5つのステップで解説します。

ステップ1:自社の商品やサービスを認知したユーザーが実際に商品やサービスを購入します。

ステップ2:滞りなく商品やサービスを提供し満足度を高めます。

ステップ3:トラブルなどが発生したときに迅速に対応します。

ステップ4:修理の依頼があった場合は、依頼があった部分以外に不具合がないかを確認するなど期待以上の対応をします。

ステップ5:購入実績や登録されているデータから個別のサービスを提供し顧客の満足度を高めます。

この企業が好き、この企業がないと困るというところまで持って行くことで、顧客がロイヤルカスタマーとなっていきます。